LTO(磁気テープ)の寿命・環境条件をふまえた保管方法とは
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LTO(磁気テープ)の寿命・環境条件をふまえた保管方法とは
2020.04.09 公開 / 2024.10.15 更新
LTOメディアは室温で50年以上に相当する加速条件下でのテストにおいて磁気特性に変化が生じないことが確認されています。
大切なデータを長期に渡り保管しておくためにも推奨環境や保管時の注意点を知っておくと良いでしょう。
1.LTOテープの寿命
磁気テープであるLTOは、30~50年以上の長期データ保存が可能であると言われており様々な業界でデータの記録に使用されています。
データの長期保管において高い信頼性のあるLTOテープは映像業界などのアーカイブ媒体として注目され、導入も増えています。
LTOテープの高い保存性を保ち、適切に保管する方法や寿命について解説します。
耐久性
LTOテープの耐久性は、100万パスと言われています。
また、LTOテープにフル容量のデータを100回以上読み書きを行っても問題がなかったこと、 テープの同一箇所を40,000回走行させても問題なく読み込みできることが確認されています。 そして、テープを20,000回ドライブに装填しても機構に異常が発生しないことも確認されています。
また、LTOテープにフル容量のデータを100回以上読み書きを行っても問題がなかったこと、 テープの同一箇所を40,000回走行させても問題なく読み込みできることが確認されています。 そして、テープを20,000回ドライブに装填しても機構に異常が発生しないことも確認されています。
保存期間
LTOテープの保存性について、社団法人電子情報技術産業委員会(=JEITA)が行った寿命推定検証を紹介します。
<検証内容>
温度70℃、湿度80%及び10%以下の高温多湿、低湿な加速条件で保管することで、80日間を約50年に換算することができます。 この加速条件下で、LTO7メディアを使用した経時安定性の検証が行われました。 結果、再生信号の減衰率は50年以上信号の読み取り品質に影響がないことが確認されました。
上記のように、通常の保管環境であれば50年以上の保存性が結論付けされています。
また、2023年に最新LTO9メディアでも寿命推定検証が行われ、再⽣信号の減衰率は50年以上、信号の読み取り品質に影響のないことが確認されました。
ただし、LTOテープはあくまで消耗品ですので、バックアップ用途での日次利用の場合は定期的なテープ交換が推奨されます。
本記事ではテープ交換のタイミングも紹介しています。
出典:社団法人電子情報技術産業委員会(=JEITA)
「LTO 7テープメディアの寿命評価」
「LTO-9テープメディアの寿命評価」
<検証内容>
温度70℃、湿度80%及び10%以下の高温多湿、低湿な加速条件で保管することで、80日間を約50年に換算することができます。 この加速条件下で、LTO7メディアを使用した経時安定性の検証が行われました。 結果、再生信号の減衰率は50年以上信号の読み取り品質に影響がないことが確認されました。
上記のように、通常の保管環境であれば50年以上の保存性が結論付けされています。
また、2023年に最新LTO9メディアでも寿命推定検証が行われ、再⽣信号の減衰率は50年以上、信号の読み取り品質に影響のないことが確認されました。
ただし、LTOテープはあくまで消耗品ですので、バックアップ用途での日次利用の場合は定期的なテープ交換が推奨されます。
本記事ではテープ交換のタイミングも紹介しています。
出典:社団法人電子情報技術産業委員会(=JEITA)
「LTO 7テープメディアの寿命評価」
「LTO-9テープメディアの寿命評価」
2.環境条件
LTOデータカートリッジの性能・信頼性を保つためには、適切な環境での保管管理が必要です。
推奨使用環境条件 | LTO4~LTO8、UCC | LTO9 |
---|---|---|
温度 | 10~45℃ | 15~25℃ |
湿度 | 10~80%RH | 20~50%RH |
最大湿球温度 最大露点温度 |
26℃(最大湿球温度) | 22℃(最大露点温度) |
推奨保存環境条件 | LTO4~LTO8、UCC | LTO9 |
---|---|---|
温度(短期/長期) | 16~35℃(短期) 16~25℃(長期) |
15~25℃ |
湿度(短期/長期) | 20~80%RH(短期) 20~50%RH(長期) |
20~50%RH |
最大湿球温度 最大露点温度 |
26℃(最大湿球温度) | 22℃(最大露点温度) |
許容使用環境条件 | LTO4~LTO8、UCC | LTO9 |
---|---|---|
温度 | 10~45℃ | 15~35℃ |
湿度 | 10~80%RH | 20~80%RH |
最大湿球温度 最大露点温度 |
26℃(最大湿球温度) | 22℃(最大露点温度) |
許容保存環境条件 | LTO4~LTO8、UCC | LTO9 |
---|---|---|
温度(短期/長期) | 16~35℃(短期) 16~25℃(長期) |
15~35℃ |
湿度(短期/長期) | 20~80%RH(短期) 20~50%RH(長期) |
20~80%RH |
最大湿球温度 最大露点温度 |
26℃(最大湿球温度) | 22℃(最大露点温度) |
3.磁気やホコリ、直射日光に注意
LTOなどの磁気テープにとって、強い磁気は注意が必要です。
強い磁気を発生させているものに近づけると、データが破損したり消失してしまう恐れがあります。
また、ホコリもデータカートリッジやLTOドライブのトラブルの原因となります。
ドライブに入れたままにしていると、ホコリやゴミの付着でテープに傷などが付いてしまうとエラーの原因にります。
テープを保管するときは、付属のプラスチックケースに入れて直射日光を避け垂直に立てて保管しましょう。
4.テープ交換のタイミング
LTOテープは数十年に渡る安定性が確認されていますが、バックアップ用途での日次利用の場合は消耗品として捉え、
バックアップ回数200~250(6ヶ月~5年)程度でのテープの交換が推奨されています。
一方、アーカイブ用途での長期保存では前述の通りLTO7以降であれば50年以上磁気的に安定なことは確認されていますが、 システムの保証期間、OS及びソフトウェアの互換性等を考慮すると、安全かつ安⼼して⼀つのテープフォーマットに データを保管する⽬安は10年と考えられ、10年以上の⻑期保管をする場合は、 JIS Z 6019 「磁気テープによるデジタル情報の⻑期保存⽅法」を参照し、 データを適切に移⾏(マイグレーション)することが推奨されています。
また、バックアップ用途でも長期アーカイブでも、バックアップにおける「3-2-1ルール」に則り データを複数作成することで、より安全な保護が可能です。
関連記事:災害・ランサムウェア対策 バックアップにおける「3-2-1ルール」とは
一方、アーカイブ用途での長期保存では前述の通りLTO7以降であれば50年以上磁気的に安定なことは確認されていますが、 システムの保証期間、OS及びソフトウェアの互換性等を考慮すると、安全かつ安⼼して⼀つのテープフォーマットに データを保管する⽬安は10年と考えられ、10年以上の⻑期保管をする場合は、 JIS Z 6019 「磁気テープによるデジタル情報の⻑期保存⽅法」を参照し、 データを適切に移⾏(マイグレーション)することが推奨されています。
また、バックアップ用途でも長期アーカイブでも、バックアップにおける「3-2-1ルール」に則り データを複数作成することで、より安全な保護が可能です。
関連記事:災害・ランサムウェア対策 バックアップにおける「3-2-1ルール」とは
5.LTO 関連製品
外付型を中心にLTOドライブを販売しています。価格やスペックを比較し、適切な製品をお選びいただけます。
製品に関するご質問・導入のご相談・お見積依頼等、お気軽にお問い合わせください。
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