災害・ランサムウェア対策 バックアップにおける「3-2-1ルール」とは

災害・ランサムウェア対策 バックアップにおける「3-2-1ルール」とは

ビジネスで取り扱う様々なデータの量と重要性は、近年加速度的に増加しています。
特に新型コロナウイルスの流行後は、あらゆる業務や書類のデジタル化が行われています。

こうしてデジタル化され膨大に増え続けるデジタルデータを、天災や人災、ウイルスなどにより全て消失してしまったらどうでしょうか。 企業はあらゆる面で致命的なダメージを受け、事業存続の危機に陥ることもあるでしょう。

そうならないために、どの企業でも必ずデータのバックアップを実施しているはずです。
ですがそのバックアップ、本当に大丈夫でしょうか?
バックアップとは、あらゆる事態を想定し対策を行うことが重要です。

バックアップデータはいくつ持つべきか?
どこに、どのように保管するべきか?

これらをルール化したものを「3-2-1ルール」といい、あらゆるデータ消失シナリオに対応するため「バックアップの冗長性」を重視したバックアップ方式です。
今回は、バックアップの基本と言われる「3-2-1ルール」について確認してみましょう。
INDEX
1.企業データを脅かす様々な脅威
2.あらゆるリスクに対応する「3-2-1ルール」とは
3.ランサムウェア対策における注意点
4.おすすめのバックアップ媒体

1.企業データを脅かす様々な脅威

データ消失はなぜ起こるのでしょうか。
様々な原因による事例はありますが、最も多いとされるのはハードウェアの障害人的ミス。 ある調査によると、これだけで実に8割を占めるといいます。
そして今、企業を致命的な状況へ陥れることもある「ランサムウェア」というマルウェアの一種。 企業のバックアップデータを含むほとんどのデータを失ってしまう事例もあります。
万が一に備え、それぞれの原因を知り、対策をしておくことが重要です。
ハードウェアの障害
ハードウェアの障害
データ消失事例で最も多い原因の一つが、ハードウェア障害です。
特にハードディスク(HDD)での障害は非常に多く、誰でも一度は経験していることでしょう。

HDD障害は大きく分けて、経年劣化・水没・火災・落下などで起きる物理障害と、人的操作ミスやOSが起動できないなど内部システムのエラーによる論理障害に分けられます。
物理障害の場合は、何等かの外的要因でHDDそのものが破損しているため、ベアメタルリカバリ(空のディスクドライブを使用してシステムとデータを復旧させること)で再稼働を試みることが可能です。 この場合、もちろんバックアップデータが無事であることが大前提となります。
論理障害の場合は、HDDのフォーマットやOSの再インストール、バックアップデータの復旧をすることで再度使用できる場合があります。
いずれにしても、HDDの寿命は平均3~4年(時間換算で約26,000~35,000時間)と言われており定期的なディスク交換や、データのバックアップで万が一に備えることが重要です。

また、RAIDはバックアップではないことを理解しておく必要があります。
「RAIDだから大丈夫」と安心すべきでない理由としては、RAIDとは一部のHDDが壊れても他のHDDで対応できるよう冗長化による信頼性や可用性の向上を目的とするものだからです。
例えば、不注意でデータを消してしまったり上書きしてしまったり、ウイルス感染してしまった場合は復元できません。 そもそもRAID自体が壊れてしまった場合、全てのデータを失ってしまう恐れもありますから、必ずバックアップは別に行う必要があります。
とある企業でバックアップを取っていないNASを落下させてしまい全データを消失してしまった例を聞いたことがありますが、データ復旧専門業者へ依頼し高額な費用がかかったそうです。

ちなみに筆者も若い頃、HDD障害で個人データを丸っと失った経験がありますが、原因はCPUの熱暴走(内部清掃を怠ったためホコリがたまっていた)という自業自得な物理障害でした。 このときはバックアップなど取っておらず、ディスク交換と再インストールを行ったため、無事だったデータはレンタルサーバーに上げていたものだけという悲惨な結末でした。
人的ミス

人的ミス
次にハードウェア障害と共に高い割合を占めるのが、人的ミス。
不注意により、重要なデータを削除してしまったとか上書きしてしまったなど単純なものは多くの企業で多発している事例です。 重要なデータを間違えてゴミ箱へ移動し、それに気づかずゴミ箱を空にしてしまったなどの小さなミスは多くの人が経験していることでしょう。

また、操作ミスでディスクをフォーマットしてしまったというケースもあります。
企業の重要データは必ずバックアップを取っているものですが、実際に事故が発生した後でバックアップがうまく取れていなかったことが判明する例は、稀なようで中小企業では実はあるあるなのです。

定期的なバックアップ点検アクセス制限などで対策を行うことが重要です。
ランサムウェア

ランサムウェア
ハードウェア障害や人的ミスに比べると割合としては低いものの、ここ数年企業を中心に被害が拡大し続けているのが「ランサムウェア」です。 ランサムウェアはマルウェアの一種で、最近は特定の企業を狙う標的型や時限式のものもあり巧妙さを増しています。

ランサムウェアは、メールなどに添付されており、ユーザーがファイルを開くことでコンピュータに侵入します。 感染したコンピュータの全てのデータを暗号化、使用不可能な状態にして、データと引き換えに高額な身代金を要求してくるというサイバー犯罪です。
そしてランサムウェアの厄介な点は、感染したコンピュータと物理的に接続しているストレージネットワークで繋がっているコンピュータ次々に暗号化します。 結果的に組織のほとんどのデータを暗号化されてしまい、休業を余儀なくされるケースは後を絶ちません。

更にネットワーク上のバックアップデータまで暗号化され、多額の身代金を支払ってしまったケースも。
また、時限式ランサムウェアの場合は一定期間コンピュータ内で息をひそめ、設定された期間を経過してから活動を始めます。 この場合、感染に気付かずランサムウェアごとバックアップをとってしまうこともあるのです。

ランサムウェア対策では「バックアップデータを物理的に隔離する(ネットワークから切り離す・オフラインで保管する)」ことと「バックアップを複数世代で管理する(過去のバックアップを複数取っておく)」ことが重要です。

2.あらゆるリスクに対応する「3-2-1ルール」とは

3-2-1ルール」は、あらゆるデータ消失シナリオに対応するため「バックアップの冗長性」を重視したバックアップ方式です。
2012年にアメリカのセキュリティ組織US-CERT(United States Computer Emergency Readiness Team)がバックアップの際遵守するべきルールとして提唱されました。
このルールは、バックアップデータをいくつ作成するべきか、どこに格納するべきかを検討する際の重要なヒントになるでしょう。

ルールは以下の通り。
① データは少なくとも「3つ」持つ
データは少なくとも3つ持つ
これは、プライマリデータを含めて3つという意味なので、バックアップとしてのコピーを2つ以上作成しましょうという解釈です。
複数のバックアップを作成しておくことで、災害や人的ミスによる完全なデータ消失リスクが劇的に低減します。 3つのデータのうち、2つ同時に障害が起き消失することも非常に稀ですが、3つ同時に消失する確率は限りなく低いでしょう。 また、トラブルが発生した際、バックアップデータから復旧を試みたものの失敗して全データを消失しても、もう一つバックアップデータがあれば安心ですね。
② コピーを「2つ」の異なる媒体に保存する
コピーを2つの異なる媒体に保存する
複数のバックアップを同じ媒体で管理していた場合、劣化による破損など共通する故障原因を抱えることになり、同時にデータを消失する危険性があります。
例えばRAIDがバックアップに値しないのは、こういった理由からでもあります。
バックアップデータは、特性の異なる2種類以上の媒体に保管することで同時に失うリスクを低減します。
これにより、どれかのデータに問題が発生しても残っているバックアップデータから復元することが可能です。
③ 「1つ」のバックアップをオフサイトに保管する
1つのバックアップをオフサイトに保管する
3つのデータのうち、1つは物理的に離れた遠隔地(オフサイト)に保管することが推奨されています。
バックアップデータを格納した媒体を、プライマリデータと同じ場所に保管していた場合、災害などで同時に破損する危険性があるからです。
可搬性・耐衝撃性に優れた媒体にバークアップデータを格納し、別の事業所で保管することは、広く普及しているオフサイト保管方法です。
また、クラウドサービスを利用して別のデータセンターに保管するのも有効な手段です。
このように、バックアップデータを遠隔地に置くことで、災害などで壊滅的な被害を受けた場合でも、遠く離れた場所のデータから復元し事業を継続することが可能となります。

3.ランサムウェア対策における注意点

上記「3-2-1ルール」にしたがってバックアップを行っていた場合でも、ランサムウェア対策としてはプラスαで注意が必要な場合があります。
理由は、前述した通りランサムウェアが物理接続されたドライブやネットワークを通して別のマシンやサーバに次々と感染していく点にあります。 それはバックアップデータも例外でないことを意味しています。
ネットワーク経由の進入を防ぐために
「3-2-1ルール」の中の「2つの異なる媒体」や「オフサイト」での保管について注意すべき点があります。
例えば、1つの媒体として外付けHDDにバックアップを取っていたとしましょう。
バックアップ対象であるマシンと直接USBで繋ぎっぱなしだった場合、バックアップデータも暗号化されてしまうでしょう。
バックアップデータを格納する媒体は、オフラインで保管することが望ましいです。

また、バックアップデータを「オフサイト」で保管する場合もネットワークから切り離した管理が必要です。
警視庁の調査によると、ランサムウェアの感染経路が判明したうちの半数以上が、社外から社内ネットワークに接続するVPN機器などからの侵入だとわかったそうです。
遠隔地でバックアップデータを管理する場合でも、基本はオフライン保管が望ましいでしょう。
クラウドストレージにおける注意点
クラウドストレージといっても、サービスによって仕組みが違います。
一般的なクラウドバックアップサービスであれば、クラウドストレージ内のデータは圧縮・暗号化されているためランサムウェアによる暗号化はされません。
注意が必要なのは、手軽に利用でき便利なデスクトップ同期型のクラウドストレージです。
クラウドストレージであると意識せず、コンピュータ内のデータと同じように編集したりドラッグアンドドロップで保存・削除ができるタイプです。 同期型クラウドストレージに大事なデータをバックアップしていた場合は、暗号化されてしまう可能性は非常に高いと言えるでしょう。
オフサイト保管にクラウドストレージを利用する場合は、サービスと仕組みをよく理解しておくことが重要です。
バックアップの世代管理がカギ
ランサムウェアの中には「時限式」という厄介な特性を持つものが存在します。
時限式ランサムウェアは、侵入してからすぐには活動せず一定期間ジッと隠れて息を潜めています。
人体に感染するウイルスの潜伏期間のような感じです。
潜伏期間中は、自分がウイルス感染していることに気付かないですよね。
ランサムウェアが潜伏している間に取ったバックアップデータが感染済のものだったら…バックアップとして成立しません。
復元するには感染前のバックアップデータが必要です。
そこで「バックアップの世代管理(過去のバックアップを複数取っておく)」が有効になってきます。
例えば毎年度末、毎月末、毎火曜・木曜・金曜など、企業によってルールを決めてバックアップスケジュールを組みましょう。

4.おすすめのバックアップ媒体

ハードウェア障害・人的ミス・ランサムウェアからデータを守るのにおすすめのバックアップ用媒体を紹介します。
テープ(LTO)
LTO
当サイトはLTOを販売しているものですから、LTOをおすすめするのは当然ではありますが。
それを抜きにしても、やはりLTOはバックアップ媒体として非常に優秀であることは間違いありません。
まず容量単価が他の媒体に比べて安価なので、バックアップデータが多い程コストメリットが大。
そして可搬性・耐衝撃性に優れているためオフサイトでの保管が可能です。
更に30年以上の期待寿命があるので長期保管に向いています。
RDX(Removable Disk Exchange System)
RDX
あまり聞きなれないかもしれませんが、実はRDXは主要サーバメーカーに採用されている業界標準のバックアップシステムです。
2.5インチHDDやSSDがカートリッジ化されたもので、ドライブに挿抜して使えます。
データカートリッジは手のひらサイズで専用のショックマウント(衝撃吸収材)により耐衝撃性にも優れています。
RDXドライブはUSBで接続するだけで簡単に使用できるので、LTOに比べて敷居はかなり低くなります。
更にLTOと同様、可搬性に優れオフサイト保管も可能で、オフライン保管ができるのでランサムウェア対策としてもおすすめの媒体です。
媒体価格はLTOより高くなりますが、ドライブが2万円台からあり、導入費用がグンと下がります。 バックアップデータが大量でない場合はRDXの方が向いている場合があります。
弊社ではRDXの販売も可能なので、ご興味があればお問い合わせください。
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<テープで実現>安価×セキュアなS3互換のオブジェクトストレージ

<テープで実現>安価×セキュアなS3互換のオブジェクトストレージ

富士フイルムから発売された、オブジェクト形式のストレージを磁気テープで実現するソフトウェア「FUJIFILM オブジェクトアーカイブ」を紹介します。

近年、企業の保有データが爆発的に増加する中、災害対策(BCP対策)やランサムウェアなどのウイルス対策、またビッグデータの再活用などのため低料金且つ信頼性の高いデータ保管が課題となっています。
ここ数年でクラウドを活用する企業が増加し続けるする一方で、データ移動やダウンロードの費用が高額になったり、想定していた費用対効果が得られないという理由からオンプレミス基盤を再検討する企業も増えています。
FUJIFILM オブジェクトアーカイブは、S3互換APIで「オブジェクトストレージ」と「テープストレージ」を連携し、オールクラウドやオールディスクのストレージと比べて圧倒的なコストメリットを生み出します。
INDEX
1.オブジェクトストレージとは
2.FUJIFILM オブジェクトアーカイブ
3.テープストレージの圧倒的コストパフォーマンス
4.物理隔離「エアギャップ」によるセキュリティ強化

1.オブジェクトストレージとは

オブジェクトストレージとは

そもそもオブジェクト形式のストレージとはどのようなものでしょうか。
その特徴や利点を紹介します。

特徴
オブジェクトストレージとは、データをファイル単位ではなくオブジェクト単位で保存するストレージです。
オブジェクトには一意のID(URI)が付与され、データ本体とデータの属性を表す任意の付加情報(メタデータ)で構成されています。
ファイルストレージのようにディレクトリやフォルダといった階層構造をもたず、全てのオブジェクトは「バケット」という巨大な記憶領域にフラットな状態で格納されます。

オブジェクトストレージを提供するサービスとしては、AWSの「Amazon S3」、Googleの「Cloud Storage」などのクラウドベンダーが有名ですが、 特にAmazon S3はその代表格であり、事実上の業界標準といった位置付けとなっています。
そのため、他社の扱うオブジェクト形式のクラウドストレージやオンプレミス向けのオブジェクトストレージ製品は、Amazon S3と連携することのできる「S3互換API」を採用しているものがほとんどです。
このように、オブジェクトストレージサービスや製品の互換性により、場所を問わずデータを保管・一元管理することが可能となりビジネス環境の変化に伴い保管場所を変えたり拡張したりすることができるのです。
利点
ファイルストレージは非常に扱いやすく、ファイルサーバやNASなど現在最も多く利用されているストレージ形式ですが、システム全体でのファイル数には上限があります。
そして、この上限を増やそうとするとディレクトリ・ファイル管理のための情報量が増え、実効容量やパフォーマンスに悪影響を及ぼしかねません。

一方オブジェクトストレージは、バケットの容量や保存できるオブジェクト数に制限がないため、データが増大しても容量不足を気にせず使用できるというのが最大の利点です。
データはIDと紐づいており、ユーザーは格納場所を意識することなくデータの保存や呼び出しを行うことが可能です。
更に、データにはカスタマイズ可能なメタデータを豊富に付与することができるので、様々な角度からデータを検索することができます。

2.FUJIFILM オブジェクトアーカイブ

オブジェクトアーカイブとは

FUJIFILM オブジェクトアーカイブは、オブジェクトストレージを磁気テープで実現するソフトウェアです。
業界標準のS3互換APIで、オブジェクトストレージのサービスやアプリケーションとテープストレージを連携できるようにし、 多くの企業の課題である「データ活用」のためのストレージを実現します。
安価でセキュアなテープストレージのメリットとオブジェクトストレージの利点を掛け合わせた、新しいデータ保管方式です。
S3 互換API
S3互換APIを実装する様々なオブジェクトストレージやアプリケーションとシームレスに連携し、企業データの一元的なデータ管理を可能にします。
OTFormat
「OTFormat」は富士フイルムが開発したオープンなテープフォーマットで、テープへのデータ書き込みを効率化します。
Region機能
データを複数の「Region」(仮想領域)に分けて管理することができます。Regionごとにテープを割り当て、データの複製数を設定できるので部門別のデータ管理が可能です。
WEB GUI
ユーザー管理、システム管理、テープ管理をWeb GUIで簡単に行えます。
スケールアウト
論理サーバを最大64台まで拡張可能(最大1280億オブジェクト保存可能)。サーバのスケールアウト構成によりパフォーマンスも向上します。
耐障害性
一つの論理サーバに対し、稼働とスタンバイの2台の物理サーバを配置。稼働サーバ障害時はスタンバイサーバを稼働することで、ダウンタイムを低減します。
オフライン保管
テープカートリッジをライブラリから取り出しオフラインでデータ保管・管理が可能。エアギャップ環境を実現し、サイバー攻撃リスクを回避できます。
マイグレーション
テープカートリッジの世代間マイグレーションをバックグラウンドで自動実行します。大容量データの安全な長期保管に伴う作業を大幅に削減します。
レクラレーション
データの削除などで利用できない容量ができたテープから、有効なデータのみを別のテープに書き出します。元のテープは再フォーマットの上、全容量を再利用できるようにします。

3.テープストレージの圧倒的コストパフォーマンス

記録メディアのコスト特性

企業が保有するデータ量が年々飛躍的に増加している中で、拡張性に優れ大量のデータを安価で安全に保存できるオブジェクトストレージは現在多くの企業に利用されています。
企業がオブジェクトストレージを利用する選択肢は、クラウドストレージかディスクシステムの導入などが一般的でしたが、テープストレージという新たな選択肢をもたらしたのが「FUJIFILM オブジェクトアーカイブ」です。

磁気テープを記録媒体とするテープストレージは容量単価が非常に安価なため、クラウドやディスクなどのストレージや記録媒体の中でも圧倒的なコストパフォーマンスを発揮します。
LTOをはじめとするテープストレージは、企業が保有する大量のコールドデータのアーカイブ用途としての地位を獲得しており、現在も導入企業は増え続けています。

FUJIFILM オブジェクトアーカイブは、現在オブジェクトストレージを利用している企業であれば同じデータ形式のままテープストレージをアーカイブ層として運用できるようになります。

4.物理隔離「エアギャップ」によるセキュリティ強化

テープストレージによるエアギャップ

新型コロナウイルスの流行によるテレワークの定着やネット利用の増加に伴い、2021年にはサイバー攻撃とみられる不審なインターネット接続が 過去最多の1日平均6506件(前年比55%増)にも上ることが警視庁の調査で明らかになりました。

ユーザーが多種のクラウドサービスを利用するマルチクラウド環境が当たり前になり、企業のセキュリティーリスクは拡大する一方です。
中でも世界中の企業に甚大な被害をもたらしているのが、コンピュータのデータを全て暗号化し使用できなくした上で、データと引き換えに高額な身代金を要求してくるランサムウェア
ランサムウェアは、感染したコンピュータだけにとどまらず、物理的に接続されているストレージ、ネットワーク経由でアクセス可能な全てのストレージを次々に暗号化します。
パブリッククラウドのオンラインストレージでも、コンピュータのネットワークドライブとして書き込み可能な状態であれば、暗号化されてしまう可能性もあります。

このような手口のサイバー攻撃からデータを守るのに有効とされているのが、物理的な隔離「エアギャップ」です。
テープストレージはデータをオフラインで保管することができるため、重要なバックアップデータをエアギャップで攻撃から守り、 万が一ランサムウェアの被害にあってもバックアップデータから復元すれば、企業データの消失といった最悪の事態を回避することができます。
更に、ディスクイメージのバックアップデータだけでなく重要なデータを物理的に隔離保管しておくことで、長期潜伏型や遠隔操作型といった新種のランサムウェアへの対策効果は高まります。

FUJIFILM オブジェクトアーカイブをストレージ基盤に組み込み、テープストレージとの連携を実現することで、安価でセキュアな大容量データ基盤を実現できます。
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情報漏洩を防ぐ LTOテープのデータ消去・廃棄方法

情報漏洩を防ぐ LTOテープのデータ消去・廃棄方法

LTOテープを廃棄する場合、情報漏洩対策として確実にデータ消去をし読み取り不可能な状態にする必要があります。
とは言え、LTOテープのデータをどのように消去すればよいのかわからないという声を多数聞きます。 ここではテープのデータを確実に消去するのに有効な手段・方法を紹介します。
INDEX
1.LTOテープの構造とデータ消去
2.テープメディアのデータ消去で有効な方法
3.実際にデータ消去を行うには

1.LTOテープの構造とデータ消去

LTOテープの構造

LTOテープは、1/2インチ(12.65 mm)幅のテープが1リール式で巻かれており、蓋(カートリッジ)を開けるとよくわかりますが、非常にシンプルな構造をしています。
このテープにデータが書き込まれているわけですが、テープの長さは第一世代のLTO-1でも609mあり、最新世代LTO-9では1035mにも及びます。 テープを引っ張り出してハサミで切るなどの方法は非常に手間がかかる上、テープが多少伸びていたり切れていてもデータの復旧ができてしまう場合がありますのでおすすめできません。

保存されているデータは企業の重要な情報である場合が多く、廃棄の過程で十分なデータ消去処理がされていないと情報漏洩のリスクは各段に上がってしまいます。
廃棄したはずのデータ媒体からデータを復元され、情報漏洩を起こすことは企業にとっては信用問題に直結し大打撃にもなりかねません。 テープの廃棄する際は、必ずデータを読み込めない状態にすることが重要です。
データの削除やフォーマット
LTOテープに書き込まれたデータを削除したり、フォーマットをしてしまえば良いのではと考える方も多いかと思います。 実はデータの削除やフォーマットを行っても、テープに「削除した」という情報が書き加えられ表面上から見えなくしているだけなのでデータの消去はされていません

つまり、目次からデータを見えなくすることで呼び出しができない状態にしているだけで、データそのものが消えたわけではないのでデータの復元が可能な場合があります。 データ削除やフォーマットは情報漏洩対策としては適切ではありません。
データの上書き
媒体全体に固定パターンのデータを上書きすることで、元のデータを塗りつぶして読み込めなくするという方法があります。  この方法は、全領域を真っ黒に塗りつぶしてデータの復元を不可能にするというもので、データ消去としては有効な手段です。

しかし全領域をつぶしていく為非常に時間がかかる上、磁気テープにも使用できる専用のデータ上書きソフトは安価で簡単に購入できるようなものでもありません。 また、上書きを施したテープのデータが本当に消去されたのかどうかを確認しなければならないという手間も加わってくるため、更に時間を要します。
情報漏洩対策とは言え、テープの廃棄に時間と手間とお金を相当につぎ込まなくてはならず、あまり現実的な手段とは言えません。

2.テープメディアのデータ消去で有効な方法

LTOテープを廃棄する際の情報漏洩防止策として有効なデータ消去方法は、磁気データ消去物理破壊データ消去です。 どちらか一方の方法でも、きちんと処理を行えば確実にデータを消去できますが、処理が甘いとこれもまた情報漏洩の危険が残ります。
データ消去サービスを行っている業者では磁気データ消去を行った上で物理破壊をしてくれるところもありますが、 データの機密性の高さから外部委託ができない場合は自社でデータ消去を行わなければなりません。 磁気データ消去と物理破壊データ消去、その特性をよく理解した上で選択するのが望ましいでしょう。
磁気データ消去
磁気データ消去
磁気記録を使用しているLTOテープなどは、磁気の向きによってデータを記録しています。 専用の磁気データ消去装置を使用し、強磁界によってこの磁気の向きを全て同じ方法に整えることで完全にデータ消去するのが磁気データ消去です。 瞬時にデータ消去することができるのが利点で、HDDやLTO以外の磁気テープにも対応しており汎用性が高いのが特徴です。

<注意点>
磁気記録を使用している媒体に有効なので、SSDなどのフラッシュメモリは磁気消去ができません
また、磁気記録媒体であるLTOなどの媒体は多少の磁気に抵抗できる「保磁力」を持っています。 つまりデータ消去を行うために照射する磁気は保磁力を越えるものでなくてはなりません。 保磁力の高さは媒体規格によって差異があるので、LTOテープのデータ消去を行う場合は必ずLTOに対応している磁気消去装置を選択する必要があります。
物理破壊データ消去
磁気データ消去
その名の通り、媒体を物理的に破壊しデータの復元を不可能にする方法です。 確実に破壊できれば最も有効であるとも言えるでしょう。
ただし物理破壊は、データを消去しているわけではなくあくまで媒体を破壊することで物理的に読み込みをできなくしているに過ぎません。

<注意点>
冒頭でも述べた通り、テープを引っ張り出してハサミを入れる程度では確実とは言えません。
また、HDDの物理破壊でよく行われる穴あけですが、これも部分的に破壊しているだけなのでハサミと同様中途半端です。
やはり確実なのは専用の物理破壊装置を使用することが望ましいでしょう。

3.実際にデータ消去を行うには

実際にデータ消去を行う場合の選択肢は、磁気消去装置または物理破壊装置を購入する、あるいは専門業者に委託するの3択になるでしょう。 それぞれのメリットや注意点を紹介します。
磁気データ消去装置「MagWiper」
磁気データ消去「MagWiper」
「MagWiper」は、データ消去時間はわずか0.1秒の超高速。更に17秒のクイックチャージの実現により、 庫内から媒体を取り出して次の媒体を入れる間に自動で行われるので待機時間を最小限に抑え効率的な作業を行えます。
独自の「斜め磁化システム(日本・米国で特許取得済)」を採用することにより磁化効率を大幅に高め、 垂直磁気記録方式のデータを確実に消去することが可能です。

この装置だけでLTOテープの他、DAT、DLT、CMTなどの各磁気テープやフロッピーディスク、最新のHDDなどの記録メディアのデータ消去に対応しています。 少々値が張りますが、あらゆるメディアのデータ消去を行いたい場合に最適です。
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物理破壊データ消去装置「ストレージパンチャー」
物理破壊データ消去装置「ストレージパンチャー」
「ストレージパンチャー」は、破壊したい記録媒体を本体内に挿入してレバーを上下させるだけの簡単操作で、最大荷重6トンの力により媒体を安全に破壊することが可能です。
手動式モデルであれば電源も必要ありません。油圧機構を使用しているので、軽い力でどなたでも破壊ができます。

磁気データ消去装置よりかなり安価に導入が可能ですが、破壊したい媒体の種類によって相応の「破壊ツール+トレイ」が必要です。 例えばLTOテープを破壊したい場合は、「ストレージパンチャー」本体にテープ破壊ツール+トレイがセットになったモデルを選択するのが良いでしょう。
LTOテープの他にもHDDやSSDの破壊も行いたい場合は、それぞれ破壊ツール+トレイを別途購入する必要があります。
また、破壊したい媒体が大量にある場合はいくら油圧式で軽いとはいえ手動でレバーを上下するので時間と体力と根気が必要でしょう。
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データ消去専門業者への委託
媒体のデータ消去を行う上で最も手軽なのは専門業者への委託になるでしょう。利用している企業も多く需要があるため、そういった業者は数多く存在します。 しかし、こうしたデータ消去の専門業者を通して(あるいは輸送業者のミス等により)個人情報が流出してしまった事例は実際に発生しています。
データ消去を外部の業者へ委託する場合は、適切な業者を選択することが最重要です。
また、データ消去方式は必ずチェックするようにしましょう。

業者を選ぶ際のポイントは、情報セキュリティマネジメントシステム認証のISO27001や、プライバシーマークといった第三者認証を取得しているか。
秘密保持義務、事業所内からの持ち出し禁止、再委託における条件、漏えい事案等が発生した場合の委託先の責任など、委託契約書に盛り込まれているかをチェックすると良いでしょう。
また、データ消去作業に立ち会う、消去証明書を発行してもらうとより安心です。
オンサイト方式(消去装置を持って来社してもらい、その場で消去作業を行う)を選択できる場合もあるので、検討してみるのも良いでしょう。
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LTO-9の新機能 メディアの初期化・最適化とは

LTO-9の新機能 メディアの初期化・最適化とは

LTO-9で実装された「メディア初期化(最適化)」という新機能は、LTO-9カートリッジの特性に合わせてデータ配置の最適化を行うことができます。 初期化を行うことで、LTOテープの長期的な耐久性を向上させることが可能になります。
メディアの初期化(最適化)とはどのような機能なのか、現時点でわかっている情報を元にまとました。
INDEX
1.メディア初期化(最適化)とは
2.LTO-9メディアを初期化するには
3.初期化に関する注意事項

1.メディア初期化(最適化)とは

LTO9

メディア初期化(最適化)は、LTO-9テクノロジーに新たに実装された機能で、各LTO-9カートリッジの特性に合わせてデータの配置を最適化します。
新品のLTO-9カートリッジは、データの読み書き操作を実行する前に必ず1回の初期化作業を行う必要があります。
なぜ初期化を行うのか
テープにデータを書き込むために使用されるトラック数が増えると、より高い精度が必要になります。
メディアの最適化により、カートリッジごとに参照されるキャリブレーションが作成され、テープドライブの高度な調整によってデータの配置が最適化されます。 初期化を行うことで、LTOテープの長期的な耐久性を向上させることが可能です。
LTO-9メディアの初期化は必ず必要
新品のLTO-9テープは、必ず初期化を行う必要があります。
初期化は新しいLTO-9テープの最初のロードで実行可能な1度限りの操作であり、その後初期化を行う必要はありません。
逆に、LTO-8テープをLTO-9ドライブで使用する際は初期化を行う必要はありません。

2.LTO-9メディアを初期化するには

初期化を行う環境
LTO-9テープの初期化は、新品のテープの最初のロードで実行できる1度限りの操作です。
任意のドライブで初期化を行うことができますが、環境に最適化された順応を確保するために最終的に使用される環境で実行することが推奨されています。
初期化に必要な時間
メディアの初期化は、テープドライブでのLTO-9テープの最初のロードごとに平均35~52分程度です。
ほとんどの場合60分以内に完了しますが、プロセス全体に2時間程かかる場合があります。また、プロセスの中断は推奨されていません。 詳細についてはテープドライブメーカーへお問い合わせください。
初期化を行ったドライブと別のドライブで使用するには
初期化のプロセスは、新しい未使用のLTO-9テープの最初のロードでのみ必要とする1度限りの操作です。
1度初期化を行ったテープを他のドライブで使用するために再度初期化を実行する必要はありません。 別のドライブではそのままご使用いただけます。

3.初期化に関する注意事項

ソフトウェアの更新が必要になる場合があります。
詳細はソフトウェアメーカーへお問い合わせください。
また、市場製品として提供されていないカスタマイズされたソフトウェアは、初回マウントを確実に処理できるようにするために変更が必要になる場合があります。
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企業データのコンプライアンス対策と保存方法

長期化・大容量化する企業データのコンプライアンス対策と保存方法

企業活動で作成される様々な文書(データ)には法律で保存期間が定められているものがあり、これらを法定保存文書といいます。 法定保存期間は文書によって様々ですが、長いものだと永久保存しなければなりません。 また、法定保存期間を過ぎても必要に応じて長期保存しなくてはならないものもあり、企業の保存データは年々増大化しています。 更に法定保存文書に指定されていないデータでも長期アーカイブが必要なものは多数存在します。
このように、企業が長期にわたり保存すべきデータは膨大です。 本記事では法定保存文書の種類や保存期間、最適な保存方法などを紹介します。
INDEX
1.主な法定保存文書の法定保存期間
2.業種ごとの長期保存データと保存目的・容量
3.特に容量の大きな長期保存データ
4.データの長期保存に最適な磁気テープ
5.オフライン保管の利点
6.データ改ざん・削除防止 WORM機能

1.主な法定保存文書の法定保存期間

法律で保存期間が定められている法定保存文書の種類と保存期間を紹介します。
総務・庶務関係
定款、株主名簿、新株予約権原簿、端株原簿、社債原簿、株券喪失登録簿 永久保存
登記済証(権利証)など登記・訴訟関係書類 永久保存
官公署への提出文書、官公署からの許可書・認可書・通達などで重要な書類 永久保存
知的所有権に関する関係書類(特許証・登録証、特許料・登録料の受領書など) 永久保存
社規・社則およびこれに類する通達文書 永久保存
効力の永続する契約に関する文書 永久保存
社報、社内報、重要刊行物 永久保存
製品の開発・設計に関する重要な文書 永久保存
株主総会、取締役会、監査役会の議事録 10年
重要な会議の記録 10年
満期や解約となった契約書 10年
製品の製造、加工、出荷、販売の記録 10年
事業報告(本店備え置き分。支店備え置き分はその謄本を3年保存) 5年
有価証券届出書・有価証券報告書およびその添付書類、訂正届出(報告)書の写し 5年
産業廃棄物管理票(マニフェスト)の写し 5年
産業廃棄物処理の委託契約書 5年
契約期限を伴う覚書・念書・協定書など 5年
産業廃棄物処理の委託契約書 5年
重要な内容の発信・受信文書 5年
四半期報告書、半期報告書およびその訂正報告書の写し 3年
官公署関係の簡易な認可・出願等の文書 3年
業務日報、社内会議の記録、軽易な契約関係書類、参照の必要性のある文書など 3年
労働者名簿、社員出勤簿、雇入れ・解雇・退職に関する書類 3年
当直日誌 1年
住所・姓名変更届 1年

経理・税務関係
計算書類および附属明細書(貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表) 10年
会計帳簿および事業に関する重要書類(総勘定元帳、各種補助簿、株式申込簿、株式台帳、配当簿など) 10年
取引に関する帳簿(仕訳帳、現金出納帳、固定資産台帳、売掛帳、買掛帳など) 7年
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、給与所得者の配偶者特別控除申告書、保険料控除申告書 7年
源泉徴収簿(賃金台帳) 7年
退職等に関する通知書 5年
監査報告・会計監査報告 5年

人事・労務関係
重要な人事に関する文書 永久
従業員の身元保証書、誓約書などの文書 5年
雇用保険の被保険者に関する書類、同資格喪失確認通知書 4年
労働者名簿 3年
雇入れ・解雇・退職に関する書類 3年
労災保険に関する書類 3年
休暇届、欠勤願および休暇使用記録票 1年

2.業種ごとの長期保存データと保存目的・容量

法定保存文書に限らず、企業が長期保存すべきデータは業種により多岐にわたります。 業種ごとにどのようなデータがどのような目的でどのくらいの期間保存されているのか、一例を紹介します。

データ種類 目的 容量 保存期間
建設工事/竣工 コンプライアンス 1~2GB程度/工事 10-15年保管(法令)
建設工事/現場 証拠保全 100GB~2TB/工事 30年~永年保管
製造品証 証拠性保全 毎月数TB 自動車部品15年以上
開発 品質不良対策 TB~PB 内部規定
学術研究 証拠性保全 10GB程度/研究 10年間保管(文科省)
手術記録 証拠性保全 TB~PB 刑事訴訟法20年
創薬/治験 コンプライアンス 100GB程度 30年(厚労省)
創薬/R&D 品質不良対策 TB~PB 社内規定
石油探査 資産保存 数TB 社内規定
ファイルサーバ 効率化 2~3割がコールド 消せない
社員PC 効率化 特に管理者・経営者 消せない
電子化文書 働き方改革   消せない

3.特に容量の大きな長期保存データ


デジタル技術の進歩もあり、近年ますますデータ容量が大きくなっているのが映像データです。 上記の例にあるように医療現場での手術記録などが該当するでしょう。 他にも監視カメラ映像のデータや、ポスプロ等の映像制作現場、通信学習向けの講義映像など、日々生産・蓄積されるデータは膨大な量になります。
このようなデジタル映像データのほとんどは、作成後日常的に使用することは少ないものの長期的且つ安全に保存しなくてはなりません。 HDDにアーカイブし、容量が足りなくなる度に買い足すといった方法をとっていても保管スペースや管理面でいずれ破綻してしまうでしょう。 大容量で大量に生産されるコールドデータの保存方法に課題を抱えている企業は少なくありません。

4.データの長期保存に最適な磁気テープ

LTO

「LTO(Linear Tape-Open)」は、コンピュータ用磁気テープ技術のひとつで、各種ストレージの中でも容量単価が低く大容量。 大量のデジタルデータの長期保管に向いています。 現在LTO8まで製品化されていますが、社団法人電子情報技術産業委員会(=JEITA)が行ったLTO7メディアの寿命推定検証により、 通常の保管環境であれば50年以上の保存性が結論付けされています。

LTOは、ドライブにメディアを挿入して読み書きを行いますが、メディアは手のひらサイズでオフラインで棚保管が可能なので保管スペースも取りません。 省スペース・低コスト・大容量・長期保存性といったメリットから、特にコールドデータのアーカイブ向けに需要が高まっており、多くのテレビ局や映像制作現場、研究機関、医療現場などで導入されています。

5.オフライン保管の利点

LTO

例えばクラウドサービスを使用してデータ保存をしていた場合、提供事業者側での障害によるデータ損失や、ユーザー側の過失によるデータ損失、サイバー攻撃等のリスクがつきまといます。クラウドのデータもサードパーティー製のバックアップサービスでデータ保護を行うよう推奨されています。
更に保存データが大量に発生するような業種でのクラウド利用はコスト面や転送速度面でデメリットになる可能性があります。

LTOであればテープメディアにデータをアーカイブ後はオフラインで長期保管できるので、データ損失やサイバー攻撃を防ぐことが可能です。 HDDだとオフラインで長期間放置してしまうとヘッドの癒着などで読み込み不可になってしまうことがあるため、たまに通電させる必要がありますが、 LTOは磁気テープなので、通常の保管環境であれば数十年棚保管しても安全性が保たれます

6.データ改ざん・削除防止 WORM機能

WORMとは、一度書き込んだデータの消去・変更ができない追記型の記憶方式でWrite Once Read Manyの略です。LTO第三世代(LTO Ultrium3)からWORMに対応しています。

WORM対応ドライブに、WORM専用カートリッジ(通常のデータカートリッジとは異なる)を使う事で機能します。
操作ミスまたは故意によるデータの改ざん/削除を防げるため、効率的かつ安全な長期保存、コンプライアンス対応、セキュリティ強化に有効です。

LTO WORM カートリッジ一覧

LTO 関連製品

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ストロンチウムフェライト磁性体採用 1巻580TBの磁気テープ技術

ストロンチウムフェライト磁性体採用 1巻580TBの磁気テープ技術

富士フイルム株式会社が2020年12月16日に発表した「ストロンチウムフェライト磁性体」を採用した磁気テープの大容量化新技術についての情報です。

「ストロンチウムフェライト(SrFe)磁性体」を新たに採用

富士フイルム株式会社は、IBM Researchと共同で「ストロンチウムフェライト(SrFe)磁性体」を採用した 1巻あたり580TBの磁気テープ大容量化技術を開発しました。 580TBの容量とは、例えばDVD約12万枚分に相当するとのこと。

磁気テープは、大容量・低コストでデータの長期保存に適した信頼性の高い媒体として現在も世界的に広く採用されています。 ネットワークから隔離されたエアギャップの状態でデータ保管が可能なため、破損やマルウェア等によるデータ消失のリスクが低いのがメリット。 そのため、大手データセンターや研究機関などで長年にわたり利用されています。

今回富士フイルムは、塗布型磁気テープ技術を進化させ磁気テープの記録密度をより一層向上させました。 「ストロンチウムフェライト(SrFe)磁性体」を採用することで、現行「バリウムフェライト(BaFe)磁性体」を使用する LTO-8磁気テープに比べて約50倍の容量を実現させ、1巻あたり580TBもの容量を備える磁気テープを開発できるようになるとのことです。

富士フイルムでは現在、「バリウムフェライト(BaFe)磁性体」に代わる磁性体として実用化を目指しており、 従来の塗布設備の応用が見込めることから、量産化が視野に入っています。

(参照元:「ストロンチウムフェライト(SrFe)磁性体」を新たに採用 世界最大容量1巻当たり580TB磁気テープの高容量化技術を開発 | 富士フイルム
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<次世代テープ>LTO-9の仕様と最新のロードマップ

<次世代テープ>LTO-9の仕様と最新のロードマップ

2020年9月9日、LTOプログラムテクノロジープロバイダー企業であるHP Enterprise、IBM、Quantumは次世代LTO Ultrium9の仕様を発表しました。
LTOは増え続ける膨大なデータを効率良くアーカイブし、安全に保管・管理できる最先端技術。 次世代LTO-9は容量・転送速度共に更なる進化を遂げており、データの保護・アーカイブ市場において理想的なストレージメディアといえるでしょう。 LTO-9の仕様と最新のロードマップの情報をまとめました。
INDEX
1.LTO-9の仕様
2.主なメリット
3.最新ロードマップ

1.LTO-9の仕様

LTO9

LTO-9は、下位世代LTO-8よりも更に容量アップし転送速度も上がっています。 大幅に増大する企業データに対応し、コールドデータのアーカイブニーズや長期的なデータ保持のコンプライアンスを満たします。
容量と機能
最新のテクノロジーによって進化したLTO-9は、1巻あたり最大18TB(2.5:1圧縮時は45TB)の容量になります。
また、ハードウェアベースの暗号化による多層セキュリティサポート、WORM(追記型)機能、LTFS(リニアテープファイルシステム)の サポートなどの機能が含まれており、下位世代LTO-8の読み書き完全互換となっています。
パフォーマンス
LTO-9は容量だけでなくパフォーマンス性能も向上し、圧縮転送速度*最大1,000MB/秒(ネイティブ400MB/秒)となっており、 より大容量なデータを高速で書き込み可能になります。
増え続けるデジタルデータの長期保管を行う上で、限りあるフロアスペースの圧迫させることなく省スペースで効率的にアーカイブを行えます。

*フルハイト(FH)での転送速度です。ハーフハイト(HH)での転送速度は最大750MB/秒(ネイティブ300MB/秒)

2.主なメリット

データの損失、ランサムウェア感染リスクの軽減
LTOテープの耐久性は100万パスと言われており非常に耐久性の高いストレージメディアです。 また、通常の保管環境であれば50年以上の保存性があり、データをより安全に長期間保管することができます。

そして、昨今標的を個人から企業へシフトし更に巧妙化しているランサムウェアですが、最初に感染させたコンピュータからネットワークを介して 企業内のコンピュータへ次々と感染を拡大させます。
ランサムウェア対策で重要なのは、バックアップやアーカイブデータをオフラインで保存すること。 その点で、LTOはオフラインでデータを保管するため重要なデータの感染リスクを断ち切ることが可能です。
最も低コストなストレージ
TCOを他の長期保存ストレージメディアと比較すると、LTOは最も低コストであると言えます。 そのため、データ量が多ければ多いほど優位となります。 特に4Kや8Kなど高画質で大容量なデータが増え続ける映像業界でのアーカイブ用ストレージとしても高い支持を得ています。
高い柔軟性
LTO-9は、LTO-8テープの読み書き互換があります。 また、データが増えても新しくメディアを買い足すことで対応可能、カートリッジは手のひらサイズで非常にコンパクトなので 容量や保管スペースを気にすることなく運用が可能です。

3.最新ロードマップ

LTO-9の発表に伴い、最新のLTOロードマップも公開されました。
現時点でLTO-12までのロードマップが明確にされており、転送速度と容量の目標値が掲げられています。

LTO ロードマップ
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LTO(磁気テープ)の寿命・環境条件をふまえた保管方法とは

LTO(磁気テープ)の寿命・環境条件をふまえた保管方法とは

LTOメディアは適切な環境下で30年以上の寿命が公表されています。 大切なデータを長期に渡り保管しておくためにも推奨環境や保管時の注意点を知っておくと良いでしょう。
INDEX
1.LTOテープの寿命
2.環境条件
3.磁気やホコリ、直射日光に注意
4.テープ交換のタイミング
5.LTO 関連製品

1.LTOテープの寿命

磁気テープであるLTOは、30年以上の長期データ保存が可能であると言われており様々な業界でデータの記録に使用されています。 データの長期保管において高い信頼性のあるLTOテープは映像業界などのアーカイブ媒体として注目され、導入も増えています。 LTOテープの高い保存性を保ち、適切に保管する方法や寿命について解説します。
LTOテープ
耐久性
LTOテープの耐久性は、100万パスと言われています。
また、LTOテープにフル容量のデータを100回以上読み書きを行っても問題がなかったこと、 テープの同一箇所を40,000回走行させても問題なく読み込みできることが確認されています。 そして、テープを20,000回ドライブに装填しても機構に異常が発生しないことも確認されています。

(出典:富士フイルム「テープの寿命」)
保存期間
LTOテープの保存性は30年以上というのが定説ですが、社団法人電子情報技術産業委員会(=JEITA)が行った寿命推定検証を紹介します。

<検証内容>
温度70℃、湿度80%及び10%以下の高温多湿、低湿な加速条件で保管することで、80日間を約50年に換算することができます。 この加速条件下で、LTO7メディアを使用した経時安定性の検証が行われました。 結果、再生信号の減衰率は50年以上信号の読み取り品質に影響がないことが確認されました。

上記のように、通常の保管環境であれば50年以上の保存性が結論付けされています。
ただし、LTOテープはあくまで消耗品ですので、バックアップ用途での日次利用の場合は定期的なテープ交換が推奨されます。
本記事ではテープ交換のタイミングも紹介しています。

(出典:社団法人電子情報技術産業委員会(=JEITA)「LTO 7テープメディアの寿命評価」)

2.環境条件

LTOデータカートリッジの性能・信頼性を保つためには、適切な環境での保管管理が必要です。

推奨使用環境条件 LTO4~LTO8、UCC LTO9
温度 10~45℃ 15~25℃
湿度 10~80%RH 20~50%RH
最大湿球温度
最大露点温度
26℃(最大湿球温度) 22℃(最大露点温度)

推奨保存環境条件 LTO4~LTO8、UCC LTO9
温度(短期/長期) 16~35℃(短期)
16~25℃(長期)
15~25℃
湿度(短期/長期) 20~80%RH(短期)
20~50%RH(長期)
20~50%RH
最大湿球温度
最大露点温度
26℃(最大湿球温度) 22℃(最大露点温度)

許容使用環境条件 LTO4~LTO8、UCC LTO9
温度 10~45℃ 15~35℃
湿度 10~80%RH 20~80%RH
最大湿球温度
最大露点温度
26℃(最大湿球温度) 22℃(最大露点温度)

許容保存環境条件 LTO4~LTO8、UCC LTO9
温度(短期/長期) 16~35℃(短期)
16~25℃(長期)
15~35℃
湿度(短期/長期) 20~80%RH(短期)
20~50%RH(長期)
20~80%RH
最大湿球温度
最大露点温度
26℃(最大湿球温度) 22℃(最大露点温度)

3.磁気やホコリ、直射日光に注意

強い磁気に注意

LTOなどの磁気テープにとって、強い磁気は注意が必要です。
強い磁気を発生させているものに近づけると、データが破損したり消失してしまう恐れがあります。

また、ホコリもデータカートリッジやLTOドライブのトラブルの原因となります。
ドライブに入れたままにしていると、ホコリやゴミの付着でテープに傷などが付いてしまうとエラーの原因にります。

テープを保管するときは、付属のプラスチックケースに入れて直射日光を避け垂直に立てて保管しましょう。

4.テープ交換のタイミング

LTOテープは数十年に渡る安定性が確認されていますが、バックアップ用途での日次利用の場合は消耗品として捉え、 バックアップ回数200~250(6ヶ月~5年)程度でのテープの交換が推奨されています。

また、日頃のバックアップ用途でも長期アーカイブでも正副でデータ保管をすることで、より確実なデータ保護が可能です。

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<Thunderbolt>LTO SASドライブをMacに接続する方法

<Thunderbolt>LTO SASドライブをMacに接続する方法

LTOとMacの接続方法
INDEX
1.MacとLTOドライブを接続するには?
2.ThunderLinkが解決
3.製品仕様
4.動作検証レポート
昨今、映像データや素材などクリエイティブな分野でのデータアーカイブ用途としてLTOが注目され、 ポストプロダクションやテレビ局での導入が増えています。
業界の特性上Mac環境での導入相談を多くいただきますので、MacとLTOの接続方法についてご紹介します。

1.MacとLTOドライブを接続するには?

LTOは一般的にSAS接続

MacでLTOドライブとの接続を検討する際、まず問題なのが一般的なLTOドライブのインターフェースがSASである点です。

ホストがWindowsやLinuxサーバーであれば、SASポートがない場合HBA(ホストバスアダプター)を増設することでSAS接続が可能になります。 一方MacではSASポートを搭載した機種はなく、HBAの増設も困難です。

LTOを接続するためのアーカイブ専用機を1台用意する事例もありますが、可能であれば導入予算を抑えて今の環境に組み込みたい… このような課題をお持ちの場合は、SAS-Thunderbolt変換アダプタを使用する方法をご検討ください。

まずは、接続したいMacコンピュータのThunderbolt接続ポートをご確認ください。

Thunderbolt環境にLTOを導入する

2.ThunderLink®が解決

Atto ThunderLink

ATTO(アトー)ThunderLink®は、パフォーマンスと高スループットが不可欠な環境向けに設計された高性能 Thunderbolt-SAS/SATA変換アダプター。
クリエイティブ、エンジニアリング、技術者など高パフォーマンスが必要な環境に最適なThunderbolt接続ソリューションです。

ATTO Technology社は、IT市場において30年に渡り重要なデータを扱う環境向けのストレージとネットワーク接続のソリューションに注力しており、 世界のストレージの縁の下を支えている信頼性の高い企業です。

このATTO ThunderLink®を介することで、Thunderbolt搭載のMacコンピュータとLTO SASドライブの接続を実現します。

3.製品仕様

Atto ThunderLink

ATTO ThunderLink® SH 3128の製品仕様のご紹介です。

ATTO ThunderLink® SH 3128  
入力コネクター (2) 40Gb/s Thunderbolt
出力コネクター (2)x4 12Gb SAS/SATA
コネクタータイプ (2) SFF-8644
フォームファクター デスクトップ

<データシート>
ATTO ThunderLink® SH 3128

4.動作検証レポート

MacとLTOドライブの接続環境

<動作環境>
Mac OSX 10.13.1がインストールされた、Mac miniにAtto社Thunderbolt3-SAS変換アダプタThunderLink SH3128を使用して Overland-Tandberg LTO8ドライブと接続しLTFSが動作することを確認しました。
検証環境のMac miniはThunderbolt2ポートを搭載している為、Thunderbolt2-3変換アダプターを使用しています。

資料は下記リンクよりダウンロードして御覧いただけます。

<動作環境レポートダウンロード>
Atto ThunderLink SH3128 Overland-Tandberg LTO 接続検証

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<磁気データ消去装置>LTOテープのデータを瞬時に完全消去「MagWiper」

<磁気データ消去装置>LTOテープのデータを瞬時に完全消去「MagWiper」

磁気データ消去装置「MagWiper」
INDEX
1.情報漏洩のリスクを軽減
2.MagWiperの特徴
3.製品仕様
LTOテープに保存されたデータを磁気で瞬時に完全消去が可能な磁気データ消去装置「MagWiper」のご紹介。 LTO以外でも垂直記録方式のHDD、DAT、フロッピーディスクのデータも消去が可能。

1.情報漏洩のリスクを軽減

大量のLTOテープ

「大量のLTOテープを処分したいけど業者に依頼するのは不安…」 「重要なデータだから社外に出したくない…」など─。

廃棄処分になった大量のLTOデータカートリッジの扱いにお困りではありませんか? 記録されているデータが機密情報であれば業者へ依頼することも難しいというケースがよくあります。
「MagWiper」の磁気データ完全消去は記録容量に関係なく一瞬でデータ消去が完了するので、大量のデータメディアの完全消去を社内で短時間で行うことができ、情報漏洩対策にも有効です。

<対応メディア>
最新のHDDの他、LTO、DAT、DLT、CMTなどの磁気テープメディアにも対応。 社内で廃棄処分になったあらゆる記録媒体のデータを瞬時に完全消去できます。

「MagWiper」対応データメディア

2.MagWiperの特徴

磁気記録消去装置「MagWiper Standard MW-15000X」の特長を紹介します。

0.1秒で一瞬消去 17秒のクイックチャージ
消去時間はわずか0.1秒の超高速。更に17秒のクイックチャージの実現により、庫内から媒体を取り出して次の媒体を入れる間に自動で行われるので待機時間を最小限に抑え効率的な作業が可能となります。
世界初「斜め磁化システム」の採用
独自の「斜め磁化システム(日本・米国で特許取得済)」を採用することにより磁化効率を大幅に高め、垂直磁気記録方式のデータを確実に消去することが可能です。
テープもHDDもデータ消去可能
LTOの他、DAT、DLT、CMTなどの各磁気テープやフロッピーディスクからHDDなどの記録メディアのデータ消去に対応しています。


「MagWiper」紹介動画

3.製品仕様

磁気記録消去装置「MagWiper Standard MW-15000X」の製品仕様のご紹介です。

MagWiper MW-15000X  
商品名 MagWiper Standard
型名 MW-15000X
消去対象磁気メディア ハードディスク、LTO、DDS/DAT、AIT、DLT、CMT、9940、3592 他
ハードディスク対応記録形式 垂直磁気記録方式、内面磁気記録方式(長手)
蓄電時間 17秒
データ消去時間 0.1秒
発生磁界 800kA/m(約10,000 Oe相当)
電源仕様 AC100V 50/60Hz
消費電力(充電時最大) 100V/10A
消費電力(待機時) 100V/0.5A
外形寸法 264(W)×240(H)×454(D)mm
消去領域/チャンバー領域 115(W)×70(H)×145(D)mm / 115(W)×70(H)×145(D)mm
質量 17.5kg
動作環境 5~35℃、湿度20~80%以下(結露なきこと)
付属品 HDD固定ラック、AC電源ケーブル、取扱説明書、保証書
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