高速転送が可能なLTOドライブ「MagStor」の特徴・メリットとは

高速転送が可能なLTOドライブ「MagStor」の特徴・メリットとは

2024.06.26 公開
LTOショップでは「MagStor」シリーズのLTOドライブの取扱を開始しました。
主流であるハーフハイトより高速転送が可能なフルハイトモデルや、Macなどと直接接続可能な Thunderbolt3 接続モデル等、こだわり仕様のラインナップ。 「MagStor」のメリットやどんな環境に向いているか、選定のポイントなど解説します。
INDEX
1.「MagStor」とは
2.「MagStor」LTOドライブの特徴・メリット
3.ラインナップと選定のヒント
4.付属ソフト「Hedge Canister」
5.ご購入方法

1.「MagStor」とは

LTO9

「MagStor」は、オハイオ州を拠点とするテープ装置に特化したハードウェアメーカーおよびサービスプロバイダー。 世界中の企業やメディアおよびエンターテイメントユーザー向けのテープバックアップソリューションを展開しています。

テープ装置に特化しているだけあり、テープドライブでは一般的なSAS接続ドライブだけでなく、ハーフハイトより高速転送が可能なフルハイトモデルも展開。 また、Thunderbolt3 で Mac などと直接接続可能なモデルも人気があります。

2.「MagStor」LTOドライブの特徴・メリット

「MagStor」LTOドライブは、基本的な構造・性能は他のメーカーと変わりません。 これはどのメーカーのドライブでも言えることで、LTOがオープン規格として開発・策定されたためです。
業界標準では、接続方法はSAS接続とFC接続の2種類、フォームファクタはハーフハイトとフルハイトの2種類が存在します。 その中でも、SAS接続のハーフハイトモデルが主流となっています。
「MagStor」LTOドライブの特徴
「MagStor」LTOドライブの特徴はラインナップにあります。
主流であるハーフハイトのテープドライブより高速転送が可能な、フルハイトモデルの展開。
その他 Thunderbolt3 接続モデルや、3.5" HDD/SDD ドック付モデルなど個性的な製品が特徴的です。
「MagStor」LTOドライブのメリット
「MagStor」LTOを導入するメリットは、大きく2点挙げられます。
それぞれ詳しくみていきましょう。

メリット1:高速転送
LTO ハーフハイト/フルハイト 転送速度
「MagStor」LTOドライブ最大のメリットは、フルハイトモデルの転送速度といえるでしょう。
LTOドライブにはハーフハイトとフルハイトの2種類存在しますが、一般的にシングルドライブではハーフハイトが主流です。

ハーフハイトとフルハイトの違いは、まずパッと見で大きさ(高さ)が違いますが、 実は、転送速度の部分で性能に大きな違いがあります。

例えば LTO9 ドライブのハーフハイトの転送速度は、最大300MB/秒(非圧縮時)ですが、 フルハイトだと、最大400MB/秒(非圧縮時)となります。

例えば…10.8TBのデータを保存する場合、
 ハーフハイト=300MB/s=10時間
 フルハイト =400MB/s=7.5時間
となり、3/4の時間に短縮でき、理論上25%も時間を削減できることになります。

加速度的に増え続ける膨大なデータをバックアップ・アーカイブする機会が増えている昨今、 高速転送が可能なフルハイトモデルのメリットは非常に大きいといえるでしょう。

メリット2:Thunderbolt3
LTO SAS/Thunderbolt 接続例
LTO シングルドライブで最も一般的な接続方法は SAS ですが、パソコンやサーバに元々 SAS コネクタを搭載していることは稀です。 ですので、サーバ等に HBA(SASボード)を増設する必要があり、空きスロットの確認や HBA 機器の調達・取付などの手間がやや負担となります。 更に、導入後は HBA を増設したマシンでしか使用できないため、機動性・汎用性は高くありません。

一方、Thunderbolt3 接続のモデルであればコネクタを搭載しているマシンと直接繋ぐことが可能なので、導入時の負担軽減はメリットといえるでしょう。 元々 Thunderbolt は MacBook Pro に採用されたのが始まりで当初は固有のコネクタ形状をしていましたが、 Thunderbolt3 から USB Type-C ポートが採用され、Windows でも Thunderbolt に対応した USB Type-C ポートを備えた PC は増えつつあります。
コネクタを搭載した複数のマシンで使用することができるので、現場によってはメリットは非常に大きいでしょう。

「MagStor」LTOドライブでは、フルハイトのモデル、Thunderbolt3 接続のモデルはメリットを享受できるでしょう。 現場の環境・運用体制によっては、SAS接続のハーフハイトモデルの方がメリットがある場合もありますので、 次項の「ラインナップと選定のヒント」で紹介していきます。

3.ラインナップと選定のヒント

まずは「MagStor」シリーズのラインナップをご紹介。
当社では以下4製品を取り扱っております。

MagStor 取扱製品
MagStor 取扱製品

LTO-9 フルハイト SAS
高速転送フルハイトの SAS接続モデル。
最上位 LTO-9 で記憶容量はテープ1巻あたり 18TB(非圧縮)です。
既に SAS環境で LTO を運用していてお買い換え等検討されているお客様、Thunderbolt3 環境がないお客様等で、保存データが多く速度重視というケースにおすすめです。 新規導入で、HBA(SASボード)をご調達される場合は併せてご提案いたしますので是非お問い合わせください。
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製品ページ:MagStor LTO9 FH SAS 8644 外付テープドライブ SAS-L9-8644
LTO-9 フルハイト Thunderbolt3
高速転送フルハイトの Thunderbolt3 モデル。
最上位 LTO-9 で記憶容量はテープ1巻あたり 18TB(非圧縮)です。
データバックアップ・アーカイブ用に専用機を用意することなく、Thunderbolt3 ポートを搭載した既存の機器で接続したいお客様等で、保存データが多く速度重視というケースにおすすめです。
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製品ページ:MagStor LTO9 FH Thunderbolt3 外付テープドライブ TRB3-L9
LTO-9 ハーフハイト Thunderbolt3
スタンダードなハーフハイトの Thunderbolt3 モデル。
最上位 LTO-9 で記憶容量はテープ1巻あたり 18TB(非圧縮)で、3.5" HDD/SDD ドックが付いています。
データバックアップ・アーカイブ用に専用機を用意することなく、Thunderbolt3 ポートを搭載した既存の機器で接続したいお客様等で、最大300MB/秒(非圧縮時)の速度で問題ないというケースにおすすめです。
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製品ページ:MagStor LTO9 HH Thunderbolt3 外付テープドライブ TRB3-HL9
LTO-8 ハーフハイト Thunderbolt3
スタンダードなハーフハイトの Thunderbolt3 モデル。
LTO-8 で記憶容量はテープ1巻あたり 12TB(非圧縮)で、3.5" HDD/SDDドックが付いています。
データバックアップ・アーカイブ用に専用機を用意することなく、Thunderbolt3 ポートを搭載した既存の機器で接続したいお客様等で、転送速度や容量より価格重視というケースにおすすめです。
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製品ページ:MagStor LTO8 HH Thunderbolt3 外付テープドライブ TRB3-HL8

4.付属ソフト「Hedge Canister」

「MagStor」シリーズの LTOドライブには「Hedge Canister」というソフトウェアが付属していることもメリットの一つです。
「Hedge Canister」は、Mac および Windows で動作する LTFS ソフトウェアです。。
非常にシンプルでわかりやすい GUI で、誰でも直感的に操作ができます。

LTFS

Canister は LTFS を使用可能にするソフトウェアです。
LTFS(Linear Tape File Sistem)とは、LTOメディアに対して標準ファイル操作を可能にし、 テープということを意識することなくドラッグ&ドロップなど容易で直感的なアクセス、管理、データの受け渡しができる技術です。

LTOテープを LTFS フォーマットすることで OS から認識され、エクスプローラーや Finder から直接アクセスできるようになりますが、 あえて Canister でテープデータの管理するのは大きなメリットがあります。

オフラインのテープの中身(ファイル)も確認可能

Canister が認識したテープは全てテープ単位でカタログ作成され、どのテープにどのデータが記録されているかが確認できます。
片っ端からテープを読み込んで必要なデータがどこにあるか探すのは手間がかかりますが、Canister なら画面上のカタログから探し、該当のテープを読み込むだけで済みます。

ログの作成

Canister は変更を追跡し、操作ログが保持されます。
ログファイルは、メニューから簡単に閲覧・確認することが可能です。

ベリファイ

Canister でテープへ書き込みを行うと、自動的にベリファイが実行されます。
ベリファイとは、書き込まれたデータに誤りがないかをチェックし書き込みの失敗を防ぐ重要な機能で、データアーカイブを行う上で欠かせないポイントです。

摩耗を抑えるテクノロジ

Canister には、テープへの負担をできる限り少なくするテクノロジが搭載されています。
LTOを参照し、取得する必要のあるものだけを選択するなど、不要な巻き戻しを防止します。

5.ご購入方法

「MagStor」シリーズの製品は、お問い合わせにて対応いたします。
弊社の担当が丁寧にヒアリングを行い、お見積をさせていただきます。
製品に関するご質問や、導入のご相談等もお気軽にお寄せください。
お問い合わせ
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