<次世代テープ>LTO-9の仕様と最新のロードマップ

<次世代テープ>LTO-9の仕様と最新のロードマップ

2020.09.15 公開
2020年9月9日、LTOプログラムテクノロジープロバイダー企業であるHP Enterprise、IBM、Quantumは次世代LTO Ultrium9の仕様を発表しました。
LTOは増え続ける膨大なデータを効率良くアーカイブし、安全に保管・管理できる最先端技術。 次世代LTO-9は容量・転送速度共に更なる進化を遂げており、データの保護・アーカイブ市場において理想的なストレージメディアといえるでしょう。 LTO-9の仕様と最新のロードマップの情報をまとめました。
INDEX
1.LTO-9の仕様
2.主なメリット
3.最新ロードマップ

1.LTO-9の仕様

LTO9

LTO-9は、下位世代LTO-8よりも更に容量アップし転送速度も上がっています。 大幅に増大する企業データに対応し、コールドデータのアーカイブニーズや長期的なデータ保持のコンプライアンスを満たします。
容量と機能
最新のテクノロジーによって進化したLTO-9は、1巻あたり最大18TB(2.5:1圧縮時は45TB)の容量になります。
また、ハードウェアベースの暗号化による多層セキュリティサポート、WORM(追記型)機能、LTFS(リニアテープファイルシステム)の サポートなどの機能が含まれており、下位世代LTO-8の読み書き完全互換となっています。
パフォーマンス
LTO-9は容量だけでなくパフォーマンス性能も向上し、圧縮転送速度*最大1,000MB/秒(ネイティブ400MB/秒)となっており、 より大容量なデータを高速で書き込み可能になります。
増え続けるデジタルデータの長期保管を行う上で、限りあるフロアスペースの圧迫させることなく省スペースで効率的にアーカイブを行えます。

*フルハイト(FH)での転送速度です。ハーフハイト(HH)での転送速度は最大750MB/秒(ネイティブ300MB/秒)

2.主なメリット

データの損失、ランサムウェア感染リスクの軽減
LTOテープの耐久性は100万パスと言われており非常に耐久性の高いストレージメディアです。 また、通常の保管環境であれば50年以上の保存性があり、データをより安全に長期間保管することができます。

そして、昨今標的を個人から企業へシフトし更に巧妙化しているランサムウェアですが、最初に感染させたコンピュータからネットワークを介して 企業内のコンピュータへ次々と感染を拡大させます。
ランサムウェア対策で重要なのは、バックアップやアーカイブデータをオフラインで保存すること。 その点で、LTOはオフラインでデータを保管するため重要なデータの感染リスクを断ち切ることが可能です。
最も低コストなストレージ
TCOを他の長期保存ストレージメディアと比較すると、LTOは最も低コストであると言えます。 そのため、データ量が多ければ多いほど優位となります。 特に4Kや8Kなど高画質で大容量なデータが増え続ける映像業界でのアーカイブ用ストレージとしても高い支持を得ています。
高い柔軟性
LTO-9は、LTO-8テープの読み書き互換があります。 また、データが増えても新しくメディアを買い足すことで対応可能、カートリッジは手のひらサイズで非常にコンパクトなので 容量や保管スペースを気にすることなく運用が可能です。

3.最新ロードマップ

LTO-9の発表に伴い、最新のLTOロードマップも公開されました。
現時点でLTO-12までのロードマップが明確にされており、転送速度と容量の目標値が掲げられています。

(2022.09.13追記)LTO-14までの新しいロードマップが更新されましたので↓最新版に差し替えました。

LTO ロードマップ
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